セザンヌの本 - 2
また、ロブとわたしは、傍(はた)から見たら、きっと奇妙だと思われる活動を家庭での生活スケジュールに組み込んでいます。(それは次のようなものです)週に一度か二度、わたしたちは「席に着き」ます。ロブはカウチに、わたしは椅子にすわり、二人の間にはコーヒーテーブルがあります。そして(彼が)ノートを何冊か、わたしがタバコとグラス一杯のビールを用意したところで、わたしが「セスに変身」するのです。わたしはセスを自分の「トランス・パーソナリティー」と呼ぶのですが、考えてみたら、彼もわたしのことを同じように呼べるかもしれないことに気がつきました。ともかく、わたしがトランス状態に入っている間、セスは彼自身の本をロブに向かって口述します。それはもう、おもしろそうに声を揺らしながら、非の打ちどころのない散文で話すのです。しかも、そうして産み出される口述資料の量といったら、わたしたちがそれについていくのがやっとなくらいです。