多重人物性 - 2
あるレベルから別のレベルへ進歩してゆくとされている「レベル」の論議には拘(かか)わりたくない。そうした議論は全て、単独人物性(one-personhood)、連なって流れる時間、限定された型の「魂」という君達の発想に基づいている。赤い花もあれば黄色や紫色の花もある。どの花が他よりも進歩しているというわけではない。それぞれ異なるのだ。
これらの単位(意識子)は結びついて様々な種類の意識形態(gestalts of consciousness)になる。ある形態が他の形態よりも進歩していると言うのは基本的に正確ではない。例えば、ある花の花びらはその花の根っこよりも発達しているわけではない。地面にいるアリにしてみれば花びらは根っこや茎よりもずっと上にあるように見えるかもしれないが、アリ達は充分に賢いので「花びらの方が根っこよりも優れているに違いない」と考えるようなことはない。