この中にいた一人の女性は、(やはり)この種の集まりに参加するよりは家族のために食品の買い物に行く方がずっと似合っているだろうと思われたが(僕を見ると)すぐさま、こちらにやってきた。僕に関することをいろいろとキャッチできたという。彼女の話によると、僕はかつて(前世で)高級娼婦だったのだそうで、アメリカ独立戦争(1775 ~ 1783)の間、スパイもしていたとのことだった。名前はスザンヌ、またはスゼットといったそうだ。(続いて)「入ってきている」情報によると、今、僕の友達である一人の人間が、その当時は僕の情夫で、名前はグリミドリーだったとのこと。それから先の話はこんなものだった。グリミドリーは将校で、僕はその彼に情報を流していた。(しかし)ある時点で、彼は僕に裏切られたと思った。実際のところ、僕は彼を裏切るようなことはしていなかったのだが、僕が罪を犯したと思い込んだ彼は(背後から)僕の首の後ろを銃で撃ったのだそうだ。また、彼女には、僕と仲のいい何人かの友達と僕が(古代の)ギリシャ人かローマ人として装束をまとい、花の冠をかぶっている様子も見えると言った。どう反応したらいいものかよくわからないまま、僕はそうした情報に対する礼を彼女に言うと、張り出し窓に近い、部屋の隅に腰を据えた。
数分ほど経つと、ジェーンが部屋に入ってきて、彼女の本「セス資料(The Seth Material)」に載っている写真で見覚えのある、あのすてきな木製のロッキングチェアに腰掛けた。下はジーンズ、上はゆったりとした長袖の服というカジュアルな格好だ。彼女が最初にした行為は、タバコに火をつけ、自分用のグラスにワインをつぐことだった。霊媒としてよくあるパターンかもしれないのは、そこまでだ。ジェーンは「スマリ(Sumari)」と呼ばれるものに関連した最近の(個人的な)進展について話し始めた。スマリは「精神の家族」あるいは「意識のギルド(同業者の集まり)」といった言葉で描写された。その集団のメンバーは、人類を助けるため、何世紀にもわたって一緒に働いたのだという。「スマリ語」というのもあるが、普通の意味での言語とは違って、僕たちの歴史上、その言葉を声に出して話した人々はいないのだそうだ。そんな事実にもかかわらず、ジェーンは最近、スマリの「言語」でおしゃべりをし、スマリの歌も歌うようになったとのことだった。