時間と蓋然性 - 2
(僕が願っていたとおり、ジョン・ブラッドリーは 12 番通りという情報について何も言わなかった。ジェーンも彼にそれを聞かなかった。休憩の間、僕達はジョンの会社、サール・ドラッグについて話し合った。同社は経営上の問題から財政難が深刻化し、苦境に喘(あえ)いでいた。セスは、ジョンが居合わせた時には、よく、それに関する話をしてくれたが、今日に至るまで、彼の話した内容は的確だった。
休憩が終わるころ、僕達はサール社が市場に投入しようとしている新薬の話をしていた。9 時 29 分、ジェーンは目を閉じたまま、このうえなく活発な、きびきびとした調子で口述を再開した)
君達の話は実に面白いと思う。私自身には、そういった類の問題はないわけだから、ここではコメントを控えておこう。