想像と観念 - 1
想像と観念
個人、そして群衆現象の本質
セッション 829 1978/03/22
マサ 訳
(熱心な口調で)繰り返すが、キリストは磔(はりつけ)にはされなかった。歴史的なキリストと考えられている人物は霊的な現実界によって開眼していた一人の男だ。彼は、どんな人間であろうとも、自分が存在するという理由で、在るもの総て(すべてなるもの)と人類の接点なのだという無限の悟りに心を動かされていた。
キリストは人間一人一人の中で神性と人間性が出会うのを見た。そして、人間が神格の中に存在するおかげで死を越えて生きていくのを見た。キリスト教の名に結び付いた惨事は全て例外なく「法の精神よりも法の字句に従う」こと、あるいは文字どおりの解釈に固執することによって起きた。その解釈の下にある精神的、構想的な概念は無視されてしまったのだ。