Seth Network Japan
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理想を体現する

個人、そして群衆現象の本質
セッション 870、1979/08/01

マサ 訳

 (9 時 42 分)自分の環境における不幸な条件についてくよくよ考えるのではなく、どんな形であろうと、できるやり方で、自分の理想を自分の人生の中に表わすための手段を講じるのだ。それには無数のやり方がある。

 一般的には、たとえば、体調が本当に心配なら医者に行きなさい。そうでもしなければ、君達は自分自身の観念のせいで怯(おび)えきってしまうかもしれないからだ。しかし、とりたてて害はないが邪魔になるという身体コンディションであれば、そこから始めて、それを自分で解決してごらん。自分がなぜそれに悩まされているのか突き止めてみるんだ。頭痛なり単純な胃のもたれなり、あるいは、煩(わずら)わしいが深刻ではないという慢性の不調、たとえば、副鼻腔の問題(蓄のう症など)や花粉症である場合は、その状況において、身体には自分自身を治す能力が本当に備わっているのだということを思い起こしてごらん。

 私の本「個人的現実の本質」に載っている数々のエクササイズを実行しなさい。それは、どんな状況の精神的な特質もしくは心理学的な原因が自分の悩みの種となっているのかを発見するためだ。頭痛用にアスピリンを一錠飲む代わりに、腰を下ろして静かに呼吸し、自分は宇宙を構成する不可欠な部分であることを思い起こしてごらん。自分が自然と共にあるという感覚を自分自身に感じさせてみるんだ。そうしたエクササイズはよく、その場で頭痛を和らげてくれる。そういった体験の一つ一つが、自分自身の身体のさまざまなプロセスに対する君達の信頼感を形成していけるようにしてくれるだろう。

 自分が読んでいる本、見ているテレビ番組をチェックして(そこに出てきた)身体の弱さに関する指摘を(すべて)無視するよう、自分に告げてごらん。また、人類には「殺しの本能」があるのだと権威的な口調で言うような本や番組も無視するよう、自分に言い聞かせなさい。そうした妨げになる観念は自分の思考からなくすように努力すること。自分自身の能力に賭けてみるんだ。自分は基本的に一人の人間として完全なのだと信頼すること。それを覚えれば、君達は自分の能力を誇張したり軽んじたりすることなくきちんと評価できるようになるだろう。

 (休止)(そうすると)特定の才能を誇張し、特定の功績なり技術なりの出来映えを厳格な理想像として固定することによって「自分の存在を正当化する」といったような必要を感じなくなるだろう。(たとえば)自分には実際、喜ばしいほど才能があるが、自分にふさわしいであろうと考えているくらい飛び抜けた賞賛を受けるほど、ある才能にすばらしく恵まれているわけではない、というような場合でもだ。

 その一方で、とても才能に恵まれているのに自分の才能を常にしまい込んでおこうとする人もたくさんいる。彼らはその才能をほんの少しでも表に出すことを恐れているのだ。自分の命は宇宙の中にあるべくしてあるのだということを君達が受け入れるなら、君達の理想は君達の本質にかなったものになるだろう。その理想はいとも容易(たやす)く表現され、君達自身の達成にも社会の発展にも役立つことになるだろう。