Seth Network Japan
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 メカニクスの発明に才のある、その創造的なパーソナリティーは(その後)ぐんぐんと他の者達を引き離し始めた。そんなわけで、君の知っている父親は(「あちら側」から見ると)その蓋然的な自己だ。もっとも、その自己は、他の自己が避けていた感情面における数々の現実に関わり合った。実際のところ、それが彼にとって唯一の目的だったのだ。

 (10 時 7 分に休止)これは、こうしたパーソナリティーが基本的に制限されていることを意味しているわけではない。また、彼が新しい興味やチャレンジを(独自に)一つ一つ見出していくことはないと言っているのでもない。彼自身は好きなように動けるからだ。彼は別の自己の特徴(才能や性格など)さえも数多く備えていたのだが、それらは、もちろん表に出てこなかった。しかし、子供をもうけることで、君の父親は情緒的な「生」を産み出すという、その目的を達成した。それはしっかりと中身があり、息子達の中に生き続けるものだ。

 それは(発明家の側に対する)彼の側での大きな達成だった。発明家の方は気持ちを感じるということにおいて自分自身を信頼していなかったし、ましてや情緒豊かな存在(子供)達を誕生させるなど論外だった。君の両親が元々出会った(けれども結婚しなかった)その蓋然性(の世界)では、(結局)君の母親は医者と結婚した。彼女は看護婦になり、夫の働く診療所で彼を助け、自立した女性になった。また君達の時代背景に照らしてみれば、女性が名をあげようとしたら、かなりの努力が要る頃のことだ。

 彼女は男の子を1人もうけた後、意図的に子宮摘出手術を受けた。また、自分自身をみっちりと訓練して社交界にも出入りし、自分の中の教育されていない部分や垢抜けない面は覆(おお)い隠していた。その人生だったら、例えば、蝶形の赤い髪留めをつけることなどは、まずなかっただろう(「こちらの人生」ではあったものと思われる)。彼女は(社会的に)成功を収めたのだが、その抑制されたエネルギーがすべて、彼女自身をどこかしら苦い気持ちにさせた。彼女は50代で死去した。ちゃんと付いてきているかな?(バッツがここまで書き取れているかという質問)

 (「はい」)

 しかし、彼女のエネルギーは、君の父親と一緒になった、こちら側の(蓋然的)体系にまで溢れ出てくるくらいあった。これについては、エネルギーのパターンという点から、いつか、もっときちんと説明してみようと思う。ただ、歴史的な時間の流れで見れば、多数の蓋然性が同時に存在しているわけだ。君の母親が一つの蓋然的体系において 50 代で死亡した時、それによって逆流してきたエネルギーを、こちらの体系にいる君の母親は受け取った。

 君の父親の場合、その発明家としての現実界に最大の活力があった。だから、君から見れば、こちら側が苦労したわけだ。(ただ)これは、蓋然性に関わらず、1人1人のパーソナリティーに自由意思などが授けられていないことを意味しているわけではない。どんな体系においてであろうと(パーソナリティーは)それぞれ、源泉である一つの形態エネルギーから生まれ、成長するのだ。