Seth Network Japan
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蓋然性と占星術

「知られざる」現実界 第2巻
セッション 729

マサ 訳

 繰り返すが、君達の現実界はピカピカのプラットホームのようなものだ。その床面は数々の蓋然性(がいぜんせい。確からしさ)に支えられている。君達は、こうした蓋然性をあまりにそつなく無意識に辿(たど)り、その中をいとも容易(たやす)く泳ぎ回ることができるので、自分の起源、あるいは自分の体験が存在する媒体を君達が問うようなことはない。しかし、どんな日時に揃って生まれたとしても、または、時間だけでなく、生まれた場所まで同じだとしても、「行き先」まで同じというわけではないのだ。それ以上に、必ずしも条件が同じだとも限らない。それは、みんな、誕生の際、各自の蓋然性の体系に影響され、その状況が成長の特質(方向性)を大きく変えてしまうからだ。

 「妊娠」を肉体的な誕生の起点と定めている慣行自体、誤りだ。君達にしてみれば、特定の時点で生や死を受け入れる方がより実際的に思われるだろうが、基本的な意味で、一人の人間が、この時点を境に生きていると言えるようなポイントなどない。君達は確かに知覚の上では、ある特定のポイントで時空の中に現れるわけだが、君達の意識は、それよりもずっと前から君達の意識として存在してきたのだ。

 また、君達には理解し難(にく)いとわかってはいることだが、さらに広い視野で捉えれば、息子は自分が父親の息子であるのと同じくらい妥当な意味で、自分の父親の父親だ。そして、その逆(父親は自分の息子の父であるのと同様に、その息子の息子でもある)もまた真だ。

 時間と自己についての制限された概念から一度(ひとたび)、意識を解き放てば、未知の現実界を探索し始めることができる。知られざる現実界とは、すなわち、認識されていない自己だ。

 (声を大きくして)さて、休憩を取るといい ──(再び、ユーモアをこめて)また戻ってくるからね、ウィリアム(同席したバッツ夫妻の知人に対する言葉)

 (9 時 47 分から 10 時 9 分まで休憩)

 さて、口述だ。君達が、ありきたりの意味で占星術というものを考える場合、それは本の表紙(だけ)を見ているようなもので、その本が何ページもあるということに気づいていない。

 あらゆる細胞構造の中に活動している「意識」は、特定の条件に反応し、他には反応しないよう、言ってみれば、(どんな場合も)時間の先を越す形で自らを起動する。ある年の同じ日の概(おおむ)ね同じ時間帯には多くの人々が生まれるわけだが、個々の場合によって、その内的な起動に大きな開きがあり得る。誕生時の全体的な状況は、多少の差こそあれ、同じように見えたとしても、その状況に対する内的な反応には広い幅があるだろうということだ。ピリオド(バッツへの指示)
(次のページへ続く)