Seth Network Japan
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原子力 - 3(バッツのメモ)

個人、そして群衆現象の本質
セッション 850 1979/05/02 バッツ氏の注釈

マサ 訳

 4 月 20 日、技術者たちはスリーマイル島にある破損した核反応炉内の冷却水を摂氏 100°未満の温度まで下げることになんとか成功した。3 月 28 日に事故が広がり始めてから 24 日も経ってやっと達成したのだった。ただ、反応炉はまだ、理想とされる「冷温停止(冷態停止)」の状態にたどり着いたわけではない。冷温停止まで行けば、あとは大気圧と同じ水圧で自然に冷却水を循環させてやればいい。しかし、そういう状況になるのは、数週間後、独立した補助冷却システムが完成してからなのだ。

 施設からはまだ少量の放射能が漏れている。ペンシルバニア州と国(連邦)の保健機関は、原発の付近に住む人間や動物に対する放射能の影響を長期にわたって調査した研究結果を発表した。(しかし)それと同時に、ジェーンと僕はスリーマイル島の(原子力)事業全体に関してつじつまが合わない報道、訳のわからない報道を聞いたり読んだりしている。本当なのかウソなのか、僕たちには怪しく感じられることばかりだ:能力を失った反応炉の炉心で放射能を帯びた水素ガスが爆発する危険は全くなかったという話、炉心のウラン燃料が(加熱して燃料集合体や炉心構造物が)融解する危険は全くなかったという話、反応炉のメイン冷却システムに対する妨害行為が一連の不運な出来事すべてを引き起こし、それが国中、世界中での反響にまで広がったのだという話、などなど。