Seth Network Japan
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 (前の話と同様、)大通りを歩く時、君達は(道の両側に植えられた)街路樹がずっと同じ場所にあり、その樹々が(たとえば)建物に姿を変えるようなことはないと考える。そういった前提が君達の物理的な(世界の)旅では全て当然だと思われている。(そうした旅行の中で)様々な習慣や言語に出会うことがあるにしても、それらもまた、広く遍(あまね)く存在する基本的な前提条件の中で受け入れられる。その前提の範囲内に物理的な生活があるわけだ。君達は、道を歩いていく時と同じように、必ず個人的、集団的な心理の中を通って旅をする。もっとも、物理的な世界は客観的に見えるし、君達の外側にあるかのように見える。こうした外面性outsidenessの概念は、君達がその上にその生活を築いていく(基盤となる)前提の一つだ。そうなると(単なる「前提」だとすると)内的な旅に出るのは(たとえば)ニューヨークからサンフランシスコへの旅行よりも主観的(客観性が乏しい)というわけではなくなる。君達は目的地を全て自分の外側に投影する習慣がついてしまっている。ピリオド。だから、時間と空間を通る動きを伴って様々な内側の目的地を訪ねるという考えは妙な感じがするのだ。
 さて、休憩にしなさい。

 (10 時 36 分。ジェーンの口述はずっと静かで安定していた。彼女が言った。「まあ、彼(セス)の力づよく進んでいったこと。(アパートの)この階が騒がしかったから、ずいぶん長い間、(トランス状態から抜け出てしまわないように)わたしを抑え込んでいてくれたのね。きっと、あんな電話もあったからだわ」。これは今日、夕食の後、他の州からいくつも電話がかかってきた件だ。すべて彼女が受けたのだが、特にそのうちの二つは、わりと彼女の気分を害するものだった(そのため、ロバーツは安定したトランス状態に入れない可能性があった)
 同じ調子で 10 時 58 分に口述を再開。)

 一般的に言えば、君達はこの物理的な惑星(地球)を充分に探索したので、国から国へと旅行した場合に予期すべきことは大体わかっている。

 旅の前には特定の土地の見どころや特色など要点をまとめた旅行ノートを作れる。だから、全くの暗中模索で旅行するわけではない。また、自分にとっては新しい旅行だとしても(通常は)実際、そこを訪れる初めての人間だというわけでもない。その土地の地図が作られていて、根本的に驚くようなことは殆どないだろう。

 (それに較べると)内的な土地はそこまでよく探索されていない。控え目に言っても、君達の意識的な精神に関する限り、それらは処女地の中にある(全く探索されていない)。そうした内的な土地のいくつかに旅をした者達もいるが、彼等は実際のところ、探検家だったので、旅が進むのに従って(その都度)学習しなくてはならなかった。そこから帰ってきた何人かはガイドブックや旅行ノートを供すると(そうした旅行で)どんなことが予期できるかを伝えた。(次のページへ続く)