Seth Network Japan
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 ロブの育てられた背景は違ったものでした。両親の宗派は一種の社会的プロテスタントで、むしろ、喜ばしいほど、厳格な教理には染まっていませんでした。一概に言って、男の子も女の子も、糊(のり)の効いたシャツを着て、そこそこの住宅地に住み、きれいに磨いた靴をはいていればそれでよかったし、父親たちはお金を稼いでいれば、それで神様はみんなを愛してくれました ── それから、母親たちが PTA のためにクッキーを焼くっていうのも効果があったんです。

 わたしたち二人のどちらも、こうした、神の明らかな「不正行為」に対して腹を立てているというわけでもありませんでした。── ただ、「彼」に対してそんなに注意を払わなかっただけのことです。わたしには自分の詩作があり、画家であるロブには絵がありました。二人とも自然とのつながりを強く感じていました。そんなわけで、わたしが全く突然に、どうやら死後も生きているのだと思われる存在として話すようになったことで一番驚いたのは他の誰でもなく、このわたしでした。わたしのアイルランドの祖母でさえ、居間に幽霊が出るなんて、まず信じられないことだと考えていた ── そして、そんな祖母のことをわたしは迷信深い人だと思っていたんです ── のを思って、時々、自分をしかりつけたりしました。死後も生きている魂などというものは、大人たちの考え出した、くだらないことの中でも最たるものであって、わたしの受けた大学教育とすばやい洞察力、あとは持ち前の反抗心が少々あれば、そんなものとかかわり合いにならずにすむと思ったものでした。そして、いくらかの人々が、死後生存が絶対にあるとただ思い込んでいるのと同じように、自分が単にそんなものはないという偏見を持っているのだと気がつくまでには少し時間がかかりました。今にしてみれば、自分がどんなことに対しても心を開いて受けとめられるのだとうぬぼれていても、結局、そんな心の柔軟性なんて、自分の持っている先入観とうまく合う考え方に対してだけ当てはまるものだったということがよくわかります。

「セス資料」著者まえがき より


エルマイラ市の立て看板

バッツ夫妻の住んでいたエルマイラ市はニューヨーク州にある人口3万人弱の小さな町です。「ハックルベリー・フィンの冒険」や「トム・ソーヤーの冒険」で有名な作家のマーク・トウェインが住んでいたことでも知られており、トウェインの墓地もエルマイラ市内にあるそうです。

ちなみに Wikipedia(英語版)にあるエルマイラのページには、エルマイラにゆかりのある著名人としてロバーツの名前も挙げられています。