さて、スタートです。まず、いろいろな実験の中で一番簡単そうだったウィジャ・ボードにすることにしました。家主のおばさんが屋根裏部屋で見つけたボードが一つあったので、それを借りてきました。実際のところ、ボードをやってみた最初の2回の時は、二人とも少々困惑気味でした。わたしは「まあ、これは早いところ片づけて、さっさとテレパシーとか透視とか本当に興味のあるものに進もう」といった調子だったのです。これでは最初の2回の実験がうまくいかなかったのも当然です。
3回目に試した時、わたしたちの指の下にある小さな指示盤が、ついに動き始めました。指示盤は、エルマイラに住んでいて 1940 年代に亡くなった「フランク・ウィザース」(仮名)という人物からだと思われるメッセージをつづり出しました。
例をご紹介しましょう。質問はロブ、答えは指示盤がつづり出したものです。
「亡くなった年を教えてくれますか?」
1942
「僕たち二人のうち、どちらかを知っていましたか?」
いいえ
「結婚していましたか?」
はい
「奥さんは生きていますか、死んでいますか?」
しんだ
「彼女の名前は?」
うるすら
「彼女の苗字は?」
あるてり
「あなたの国籍は?」
いぎりす
「彼女の国籍は?」
いたりあ
「生まれたのは何年ですか?」
1885ボードがちゃんと動いたのでわたしたちは驚いてしまいました。大の大人が二人、ボードの上をちょこちょこと動く指示盤を見ているのは馬鹿げた気がして、こんなことはそれほどまじめに受けとめませんでした。第一、わたしたちは二人とも、死後の生命、それも自分の意識を持ち、コミュニケーションができるようなものが存在するなどと、べつに信じていたわけではありません。ただ、あとになって、エルマイラに住み、40 年代に亡くなった同じ名前の男の人が実際にいたということを知り、少し、はっとしたのですが、このときはつづり出されたメッセージよりも、指示盤がどうして動くのかをつきとめる方にずっと興味がありました。
次に試してみたのは数日後でした。フランク・ウィザースはボードを通じて、ある前世ではトルコで兵隊をしていたのだと言い、また別の前世ではデンマークのトリェヴという町でロブとわたしを知っていたと主張するのでした。彼は時代と場所も挙げたのですが、トリェヴという町はもう存在しないということもはっきりと伝えました。