チャネルされたフィクション 2
オーバーソウル「セブン」の修行
第 16 章「マーアーが石に刻んだ印と驚いたスンプター(そしてアスペクト3)」より
マサ 訳
オーバーソウル「セブン」は、そのタイルに備わっている数々のアスペクト(時間的、蓋然的な側面、特徴)のうちの二つを知覚していた。リディアは時間の中を滑るように行ったり来たりしていた。そして、マーアーは語り手たちの中庭に立っていた。彼女はまた「あたしを呼んだのは誰?」と尋ねたが、やはり返事は得られなかった。肩をすくめて顔を上げると、こちらに用があるという様子で、スンプターが自分の方に歩いてくるところだった。彼はそばまで来ると微笑み、すぐ近くの壁に線で描かれている樹を指さして言った。
「マムンシャ」
彼はそのままマーアーの横にすっとしゃがんだ。彼女との身長差をできるだけなくすため、最近そういう習慣を身につけたのだった(もっとも、マーアーもこのあとしゃがんだ模様)。
マーアーは自分にとって新しい(覚えて間もない)言語で言った。
「樹は『サノラジャ』っていうんだと思った」
彼はにやりと笑って言った。
「そういうときもあるんだ。ときには『アルンバ』── これは夜の樹。それも、月が出ていない夜。『リダタ』は日の光を浴びている樹。『カディタ』は葉っぱがダンスしている樹だ」。
今、彼は笑っていたが、真面目だった。彼が笑っているのでマーアーは困惑した。スンプターには気持ちというものがあるのだ、と彼女は改めて思った。彼は言った。
「あの絵を見て、あれに合う言葉を作ってごらん」
マーアーは居心地悪そうに彼をじっと見た。
「ほら」とスンプターが言った。
(マーアー)「ブランベダ」
(スンプター)「じゃあ、それが今この瞬間における、あの樹の絵だ」。
(マーアー)「でも、それはあたしが今、作ったんだよ」。マーアーも思わず笑っていた。
(スンプター)「そうだ。決まった言葉を物に無理矢理当てはめると、物たちを限定してしまうし、その物たちの性質(リアリティー)も制限してしまう。だから、我々の言葉の中には、物を区別するために覚えたものがあるわけだが、その物と、自分たちがそれに付けた名前を混同するような間違いを我々が犯すことはない。あらゆる物が常に変化しているんだ。どんな物であっても、それに備わるすべての観点の性質全体を表現できるような言葉なんかありはしない」(次のページへ続く)