Seth Network Japan
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バッツ夫妻と ESP

ESP パワー開発法(第6章)

マサ 訳

 (以下、すべてジェーン・ロバーツの文章)
 ある日の夕方、わたしはロバートに「すぐ戻るから」と言って、近くの食料雑貨店に出かけました。ただ、その店から帰る途中、わたしは友達のX氏に本を借したまま返してもらっていないのを思い出したのです。そこで、X氏のところに寄って、本を読み終わったのか確認してみることにしました。彼は自宅に事務所をかまえて仕事をしている人で、その本は事務所にあるはずでした。(訪ねてみたところ)彼は忙しい最中だったので、わたしは彼の奥さんとコーヒーを飲み、1時間ほど話をしたのですが、それは冬のことで、日も暮れて暗くなっていました。ふだんのわたしであれば、雑貨店からはすぐに戻るので、さすがに今ごろはロバートも心配しているだろうと、気もそぞろです。時計に目をやると午後7時でした。結局、それ以上待つのはやめにして、アパートに帰りました。すると、戻ったわたしに、ロバートは黙って一枚のメモを渡したのです。こう書いてありました。「午後7時。ジェーンはドクターX夫妻宅にいると強く感じる」

 ロバートはわたしがX氏に本を貸したことを知ってはいましたが、わたしはそれまでX氏宅に立ち寄ったりせず、何度もそこを通り過ぎていたのです。また、アパートと雑貨店の間には、ほかの友人たちも住んでいるので、そのうちの誰かを訪ねることもあり得たはずです。

 読者のみなさんにも、たいていは、思い当たる経験がいくつもあることでしょう。こうしたできごとが起こると、その時は、わりと強い印象を受けるのですが、わたしたちは、この類の話(だけ)では何も証明できないと感じてしまうものです。テレパシー以外にも、それなりに説明する手段はいくつもあり得るのですから。しかし、テレパシーは、それを説明する一つの可能性であり、他のことで説明できるからというだけでテレパシーを閉め出してしまうべきではありません。

 もっとも、次にご紹介するのは、偶然や「まぐれ」では、なかなか片づけられないできごとです。ある夜、わたしが床につくと、夢うつつの頭の中に、こんな声が聞こえたのです。「ああ、でも、こりゃあ、とんでもなく高くつくな。金を出してくれるような物好きはいないだろうし。この手のことをカバーしてくれる基金か何かないんですか?」それは、ある友達の声だとすぐにわかったのですが、彼はその時、わたしの町からよそに出かけているはずでした。その声はショックを受けたと同時に腹を立てているようでした。わたしは自分が聞いたことをロバートに伝え、聞こえた言葉をその場で聞いたとおりに書きとめ、日付と時間を書き記しました。午前1時を数分過ぎたところでした。(次のページへ続く)