次の日、何が起こったのか突きとめてみることにしました。(その友達をM氏と呼ぶことにしましょう。)M氏のお父さんは病気だったので、ひょっとしたら、お父さんが手術を受けなくてはならないことになって気をもんでいたのかもしれません。3日後、M氏が戻ってきました。ロバートとわたしはM夫妻宅を訪れておしゃべりをしたのですが、M氏にお父さんのことを聞くと、容態は変わっていないとのことでした。わたしが「手術か何か必要なわけじゃないのよね?」とたずねると、怪訝(けげん)そうに「必要ない」とのこと。ここで、この話はすっかり忘れてしまおうかとも思ったのですが、幸い、わたしはM夫妻に自分が聞いたことを話したのです。
次に驚いたのはわたしの方でした。わたしがその声を体験した夜、M夫妻はリゾート地にいたのだそうです。(二人の話によると)午前1時、カクテルラウンジにいた夫妻は、閉店時間になったので、すぐ近くにある自分たちのモーテルの部屋まで(モーテルの敷地を通って)歩いて帰ることにしました。そのモーテルのマネージャーもいっしょでした。ところが、表に出ると敷地内にゴミやガラクタが散乱していたのです。(見知らぬ)乱入者たちがゴミといっしょに高価な屋外用のベンチなどまでプールに投げ込んだのでした。あたり一帯はめちゃくちゃです。この損害に対してマネージャーが非難の声をあげたのに応えて、M氏は、こう言ったのでした。「ああ、でも、こりゃあ、とんでもなく高くつく(損害だ)な。金を出してくれるような物好きは、いないだろうし。この手のことをカバーしてくれる基金か何かないんですか?」
これくらいのできごとになると、偶然で片づけるのは、ちょっとむずかしいようです。わたしは明らかに何らかの方法で何キロも離れた状況に自分の波長を合わせて、M氏が発した怒りのコメントをキャッチしたのでした。もし、この情報を「受信」したのが、たまたま夢の中だったとしたら?わたしは、おそらく、自分の思い描いた、病院にまつわる説明を夢自体といっしょくたにして、原型をとどめないほど歪めてしまったのではないかと思います。この理由から、こうした経験を書きとめる場合はいつでも、聞こえたとおりのことばだけを正確に記録するよう心がけてください。