アトランティス
「知られざる」現実界 第2巻
セッション 747 1975/05/14(セッション 742 の注釈内)
マサ 訳
アトランティスの話だ。まず、 ── 君(バッツ)にはわかっていることだが ── 地球の年齢に関する君達の考えは誤っていると思いなさい。知性を備えた人間は(一般に)推定されているよりもずっと早い時期に存在した。また、君達は、猿のような生物から人間へと一本の線のように進展していくものだと仮定しているから、それとは逆を示す証拠を悉(ことごと)く無視する。高度に発達した人間達が、精巧な文明を持ち、君達だったら「動物の王国」とでも呼ぶであろうものと同時に存在していたのだ。動物の王国とは、多少なりとも組織化された、動物の原初的な部族であり、自分たちなりの「原始的」な文化を備えていたものを指す。
こうした動物の王国のいくつかは道具を使った。彼等の感覚は極めて敏感であり、彼等の「文化」は一種の知識伝達に取り組んだ。それは非常に複雑な語彙(ごい)など不要になるものだった(いろいろな言葉を作り出さなくても細かい事柄や意味合いを伝えることができた)。
これらの種(人類と動物)達は地球を支配しようと争うようなことはせず、単に自分達の棲息(せいそく)範囲上でより洗練されたグループ分けを行い、同じ一般的な環境を共有した。人間の築いた極めて高度に技術的な文化もたくさんあったが、君達の表現でいうグローバル(地球的)な規模ではなかった。アトランティスの伝説は実際のところ、こうした文明のいくつかに基づいている。特定の文明がベースになっているわけではない。それはさておき、プラトンが、言わば、耳にしたという(アトランティスの)伝説は、未来の蓋然性を予知したものであり、精神の内的な文明のイメージが外側に向けて未来へと実際に投影されたものだ。その未来においては、そのイメージが青写真として使用される ── それは「失われし壮大なるもの」であり、言い換えるなら、エデン(の園)が天国の失われた楽園になったようなものだ。
ルバートは「オーバーソウル・セヴンの修行(The Education of Oversoul Seven。ロバーツの小説)」の中で、過去に関する考古学的な発見事項のいくつかが君達の「現在」においてまだ発見に至っていないのは、それらがまだ存在しないからだ、ということを示唆した。こうした概念は私の使っているような散文体かつ君達の言語では説明するのが難しい。ただし、ある意味で、アトランティスの遺跡が見つかっていないのは、それらが未来から君達の過去にまだ置かれていないからだ。
さて、未来というものは蓋然的だ。しかし、君達から見れば、一つのアトランティス伝説の「具体的」なベースとなる役目を果たした、いくつもの文明の遺跡がある。これらの文明群は分散していた。だから、いわゆる「遺跡」は(一般的に)予期されるようにどこか一箇所に見つかるようなことはない。エーゲ海の下(海中)にいくつか、大西洋の分流の一つにも下にいくつか、北極圏の下にもいくつかある。それは世界(陸地)が違う形をしていたからだ。
ずっと大きな意味で(より大きな声で、ユーモラスに)、また、同じ話の繰り返しになることを覚悟のうえで言えば、時間というものは同時だ。だから、これらの文明は君達自身の文明と共に存在している。君達が地球に年代を付ける方法は非常に誤解を生じさせるものだ。(次のページへ続く)