エクササイズ - 夢
精神の本質。その人間的表現
セッション 764
マサ 訳
多くの人は、心の中などを探求したら、どこかに運び去られてしまうのではないか、錯乱してしまうのではないかと怖がっているが、肉体やパーソナリティーの構造は(物質的な世界を「一方」とした場合)、この「もう一方」の組織にしっかりと根付いている。意識的な心の何が悪いというわけではない。ただ、君達はそれに蓋(ふた)を付け、その蓋までは意識してよいが、その外はいけないとしてしまったのだ。「ここは意識しても安全だけれども、ここは違う」と言ったわけだ。
君達の多くは原子爆弾を作ることが安全に繋がると考えているが、(核軍事力によってではなく)日常生活を操作する、もう一つの方法として「夢」を使うと言ったら、とても正気の沙汰ではないと考えることだろう。また、ウイルスや戦争、災害などに対して意識的に気を配るのはいいと考えるが、そうした数々の問題を解決できるかもしれない、自己の中にある他の部分に気を配るのは、よろしいどころの話ではないと考えるわけだ。
そこで(今回の)ポイントは、通常の意識を消し去ってしまうのではなく、その意識の焦点が定まる範囲を現実界の他のレベルにまで拡げることにある。意識を文字どおり拡張することで、数々のレベルに亘(わた)る現実界を実際、本質的に知覚し、役立てることができるのだ。
本書では全体に亘(わた)って数多くのエクササイズを紹介することになるだろう。通常とは違う意識状態が必要なものも中にはある。私は、物理的な(五感への)刺激をすっかり意識の外に追いやってしまうよう、君達に求めるかもしれないし、(逆に)そうした刺激を意識の中で増幅してみることを要求するかもしれない。しかし、どんな場合でも、君達の意識のあり方が間違っているなどと言うことはない。意識はそれ自体が元々制限されているわけではなく、君達自身の観念と実践行動によって制限されてしまうものだ。君達はまだまだ、意識を充分に拡げてきたとは言えない。
休憩にしなさい。
(10 時 27 分から 10 時 43 分に休憩。)
夜、寝入る際、「眠っている最中、起きている振りをしてみよう」と自分に言い聞かせてごらん。
眠りにではなく、別種類の覚醒状態に入るのだと自己暗示してみるんだ。眠っている時、自分は起きているのだとイメージしてみるわけだ。また、別の時には、床に就こうと横になって落ち着いたら、寝入る際、自分は(眠りの世界で)朝、目覚めるのだと想像してごらん。(眠りの世界で)君達が何を探すべきかなどという話をするつもりはない。これらのエクササイズでは、普通の意味でいう「結果」ではなく、(実際に)やってみることが大切だ。(次のページへ続く)