意識の家族
「知られざる」現実界 第2巻
セッション 736 1975/02/05
マサ 訳
例えば、私が言った最初の(意識の)家族(グラマダ)は「組織化」が専門だ。この家族のメンバー達は革命的な社会の変化の直後に続いてくることがある。もっとも、彼等に備わった組織化の傾向は生活の中のあらゆる分野で表現される。例えば、彼等自身は芸術家ではないにしても、美術学校(という組織)の背後には彼等がいる(ことがある)。また、彼等自身は学者である場合もそうでない場合もあるだろうが、彼等が大学を創設することもあるだろう。
巨大な企業の創設者にはよく、この一族に属する者がいる。政治家もそうだ。彼等は活動的で生気に溢(あふ)れ、創造的な意味での攻撃性を備えている。また、他の人々の考えをまとめる術(すべ)を知っている。彼等は対立する流派を概(おおむ)ね統合する一つの構造内にまとめることがよくある。それによって、彼等はよく社会的なシステムの創設者になる。例えば、殆どの場合、君達の周りにある病院、学校、宗教は、組織として、このグループによって創始され、頻繁に保全(整備)されている。
(9 時 38 分)これらの人々(グラマダ)は、普通なら片隅に押しやられてしまうような、ぽつねんと(単独で)存在しているコンセプトをまとめあげることにすばらしい才能がある。彼等は効果的な社会構造に向けられたエネルギーのオーガナイザー(組織者)だ。また、彼等は通常、かなり安定した、至って妥当な、政府、学校、協同組合(などの組織)を創設する。もっとも、そうした組織構造の背景にある着想を彼等(自身)が発案するわけではない。
次のグループ(スマフィ)は専ら教えることに従事する。こちらも概して他の人々との関係は良好だ。彼等はどんな分野にも才能があり得るが、彼等にとって専らの関心事は自分または他の人々の知識を伝えることになるだろう。そのため、彼等は通常、伝統主義者だ。しかし(伝統を守りながらも)異彩を放つことはある。彼等はある意味で、さっき言った家族(グラマダ)とスマリの両方に同じくらい関係している。というのも、彼等(スマフィ)の立場は組織化された体系とクリエイティブな芸術家の間にあるからだ。ただ、彼等は社会的な構造を通じて「独創性」を伝えていく。その独創性を変えることなしにだ。
私は彼等(スマフィ)が独創性を変えないと言ったが、もちろん、一つの事象に対するいかなる解釈もそれを変化させることになる。ただ、一般的に、彼等は原理原則を教えるのであって、その中身を創造的に変えたりはしないということだ。例えば、彼等が歴史家として、戦争の起こった日付を伝えれば、その日付(データ)は文句の付けようがない事実同然に扱われる。だから、彼等のトレーニング環境においては彼等にそうした情報の正当性を疑う余地はない。(次のページへ続く)