夢、「進化」、価値の達成 第2巻
セッション 938
マサ 訳
さて ── 口述だ。
(長い休止)君達が理解しているような物質的生活の全体像は、もちろん君達自身の視点から体験されなければならないわけだが、その複雑さ、その秩序、そして構造とデザインの壮大さは、無数にある現実界のうちのたった一つを形作っているに過ぎないものとして理解する必要がある。そうした現実界のそれぞれが、自らの性質、自らの意識の性質に従った傾向や特徴によって構成されているわけだ。
ある見方をすれば、「無意識」という言葉は意味を為さない。そこには当然、限りないバージョン(の意識)が存在するわけで、それらには独自の世界があり、意味や目的の組織体を形作っているからだ。それらのいくつかは君達自身の意識に紛れ込むし、その逆(わたしたち自身の意識が他の意識に入り込むこと)もある。その「内的な構造」とは意識の構造であり、それよりもさらに深い(部分に関する)疑問にアプローチする(答えに向かって進んでゆく)には、結局のところ、内的な準拠基準が存在することを認めるしかない。
(9 時 16 分)少し待ってくれ…。時間の本質、宇宙の始まりや終わりに関する疑問 ── 生命の外的な条件(だけ)を研究しても、これら(の疑問)に多少なりとも確信を持ってアプローチすることはできない。それは、物質的な準拠基準がそれ自体、内部にある心理的な活動がただ(そのまま)表に現れただけのものだからだ。君達は自分の知覚に影響がある範囲でのみ、宇宙というものを知っている。その知覚(範囲)の外側に何があるのかは、君達にとって未知のままだ。そうなると、君達には、世界というものが、過去のある時点で始まった ── あるいは始まったに違いない ── かのように見えることになる(9 時 18 分に 1 分間の休止)。しかし、それは、ケーキの一切れだけを見て、きっと、ある日の午後にでも食べてしまおうと、一つのオーブンで焼かれたケーキの全体だと思い込むようなものだ。
現実界の内的な準拠基準は全く違った種類の体験が関わってくるもので、考えられる限りのあらゆるポイントで(互いに)混じり合い、融けあう組織的なパターンを伴っている。君達は寝ている間、自分の意識をチューニングする。ちょうど、ピアノを調律するようなものだ。(言ってみれば)覚醒時の現実界で、物理的な体験を形成している構成音とその音の長さを意識がはっきりと正しく知覚できるよう、チューニングするわけだ。君達はこうした内的な準拠基準の領域内に存在しているわけだが、君達の体験が加えられることで、そうした数々の領域自体が(常に)大きく変化している。そして、君達自身の(長い休止)自己性(本来的な自己)は、君達の理解している「誕生」以前に、こうした準拠基準の中に横たわっていたのだ。
君達は自分自身というものの意識的なバージョンの一つであり、同時代に生きる者全てと共に、この時代の数々ある現実を創造している。ここで言う「同時代に生きる者全て」という言葉は、全ての種(の生物)を指している。君達は意識を特定のやり方で読む(解釈する)わけだが、世界の意識を他の方法で読むことも実際、可能だ。