Seth Network Japan
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 しかし、こうした人々は(実際には)貧困を欲しているのだ。彼等は意志と想像力の両方を使ってその目標を達成しようとする。貧しさは人の品位を傷つけるとか屈辱的だとか人々を脅かすものだとか、彼等は思っているかもしれない。それでもなお、そうした条件にも拘わらず、他に理由があって、その貧しさを求めているわけだ。その理由は金銭自体に関係していることもあれば、金銭には何の関係もないこともあるだろう。だから、こうした場合の質問はもちろん、こうなる:「自分はなぜ貧しい暮らしがしたいのか?」

 貧しさのどこが「悪い」わけでもないし、貧しさが倫理的に非難されるべきものだということでもない。しかし、例えば、君達(バッツ夫妻)に対して「お金をたくさん稼ぎたいのにどれもこれも箸にも棒にもかからない仕事ばかりだ」という手紙を書いてくる人々がいる。彼等は自分が少なくとも当分の間は貧しさを求めているという事実を直視していない。

 想像力は通常、君達が本当に求めているものを実にうまく描き出してくれる。また、君達が抑え込もうとしたり理屈をつけて論点をずらそうとしたりしても、普通はそれを全て潜(くぐ)り抜ける。想像力は君達が求めているものを映す鏡であり、君達の意志を反映する鏡でもある。というのも、想像の中では皆自分の見たいものを見るからだ。それは後になって「好きで想像したわけではない」あるいは「自分の意図的な趣旨とは違う」などと言う場合にさえも当てはまる。

 想像力と意志が一緒に働けば「ミラクルメーカー」になる。それは(その場合)両者の間に自己欺瞞が立ちはだかることがないからだ。