初期セッション集 第4巻
セッション 194 1965/09/29
マサ 訳
夢の現実界自体を調査するには直接のコンタクトを通して行うしかない。科学的な装置で探索することはできない。それは、この点において、夢は精神や魂、あるいは内側の自己と同じくらい掴(つか)みどころのないものだからだ。夢は直接、体験されるものだ。夢を見る本人との関係から一歩外に出たら、夢は意味を持たない。
君達のシステム(生物学的、物理的な体系全般)に関する限り、夢が突然、物質化されて、君達の許に留まるようなことはない。REM睡眠(レムすいみん。覚醒時のような脳波を示すが眠り自体は深いとされる睡眠状態)であろうとノンREM睡眠であろうと、君達の夢は絶えず存在している。起きている間でさえもだ。そして(夢を見ている)当人は常に、その影響を受けている。そうした夢の存在には、生物の肉体組織と繋がっている独自の次元がある。また、人間から睡眠を取り上げてしまうことはできない。仮に取り上げたとしても、この必要不可欠な心の機能は潜在意識レベルで営まれるからだ。
夢は心の活動を示す一つの例だ。その活動は生物の身体に起因するものだが、活動自体の存在する次元は主として肉体的、物質的ではないレベルにある。夢は内側の自己が基本的には独立しているという性質を示す一例だ。
REM 睡眠の初期に見られる眼球の動きは、自己の中にある数々の身体的な階層と密接に結びついた夢の活動を示唆しているにすぎない。この期間は夢の「開始」ではなく、その人間が夢の意識の深層から、もっと表面に近い領域に戻ってきたことを示している。
(その間)実際のところ、自己は意識の更に表面のレベルにまで戻ってきて、自らの周囲をチェックしている。より深い夢の状態においては、主要エネルギーの移転が起こる。物理的な濃縮エネルギーが心的な濃縮エネルギーへと移されるのだが、実際、物理的な繋がりとは縁遠いものだ。
これは要するに、自己が物理的な活動の範囲から遠く離れた意識のレベルや自らの階層へと旅をするということだ。(その際)筋肉が緩むのは、身体組織全体に対して物理的な働きは何ら要求されないからだ。活動自体は実際、営まれ続けている。もし、本人の目が覚めて身体も一緒に動いているとしたら、物理的な活動と見なされるものだ。歩いたり、話したり、働いたりなど、考えられる、ありとあらゆる活動だが、そうした活動もエネルギーを必要とする。(そこで)物理的な体系の中で消費されないエネルギーは、こうした心的活動を維持するのに使われるのだ。
覚醒時に体内で作られた余分な化学成分は、排出される際、電気的なエネルギーへと自動的に変換される。すると、そのエネルギーがまた、夢に現れる数々の像(イメージ)を形作ったり、維持したりするのに役立つわけだ。科学者達は夢の性質について、もっと学べることだろう。それには、自分自身の見た夢を思い出す訓練さえして、思い出した夢を自分の通常の活動や物理的な出来事に関連づけて調査すればいいのだ。